記述模試の対策に必要な4つのポイント

こんな質問をいただきました。

こんばんは💦
数IAと数IIBの復習をしようと思ってチャート式を解き始めたんですけど、模試の対策は具体的に何をしたらいいのかわからないんですが、何か対策としてしたこととかありますか??

これに対する私からのアドバイスをまとめていきます。

記述模試の対策の4ポイント

その模試は、記述模試でしょうか。
でしたら、 ただ計算をするだけのような小問ではなく、 大問の中にいくつか小問があるような形式の問題に「慣れる」のが良いと思います。

大きな目標は「慣れる」というところにあります。

ここで言う「慣れる」とは、「前の小問で求めたことを次の小問でどのように活かすか、 という思考パターンを固めていくこと」を指します。

これを修得するために必要な4つのポイントを、具体的に挙げていきます。

①何を使って対策するか

先に述べたように、いくつか小問を含んでいるような大問形式の問題(小問集合ではない)を使って対策を行うのがよいです。

例を挙げると、(1)で求めた答えを(2)を解くのに使い、(2)で求めた答えを(3)を解くのに使うような、連鎖・ストーリーのある問題です。
必ずしも順々に答えが使われなくてもよく、(1)(2)(3)の答えを(4)を解くのに使う、というような問題でもOKです。

このような問題は入試問題や参考書の章末問題に多く見られます。
なので、受験生でなくとも模試対策用にコンパクトな入試問題集を持っておくのはおすすめです。

私はこちらの入試問題集を愛用していました。
解説は簡素ですが、コンパクトかつシンプルな問題集です。


または、過去の模試を問題集代わりに使うのも大いにありです。

過去の模試は捨ててしまわずに復習・演習にフル活用していくのが効率的です。
詳しくは次の記事を参照ください。

②どのように対策するか

では、実際にどのように対策していくのがよいでしょうか。
これを考えるために、記述模試の採点基準という観点からアプローチしてみます。

数学の記述模試の採点基準としては、ざっくり以下のものが挙げられるかと思います。

  1. 途中式
  2. 論理的か(記述順序など)
  3. 必要な条件が書けているか
  4. 数学用語を正しく使えているか

1については、問題集の解答解説でカバーできます。

2については、 先生などに記述の評価や添削をしてもらうのが良いです。
その際、解く問題はどんなものでも構いません。 どれだけ簡単な問題でもいいので、必要な事柄を必要なだけ分かりやすい順序で書く練習をしましょう。

3については、簡単な計算をするときにはスルーしがちな条件(例えば、真数条件、角度の範囲など)が抜けていないか、公式や定理を使うための前提条件を提示できているか、などを確認する必要があります。
これは問題を解いた後に解説を読んでいるときに、条件に関する文を随時チェックしていくしかありません。

4については、 次数、元数、因数などといった用語、あるいは定理の名称を総ざらいするのが良いです。
残念ながら暗記事項なので、逆に言えば試験直前の付け焼き刃でもなんとかなると思われるため、後回しでよいかと思います。

③どの順序で対策するか

単元レベルで言えば、自分の苦手な箇所から攻めていくのがよいです。
なぜなら、単純に伸びしろが大きいからです。

設問レベルで言えば、特にこれという順序はありません。
テキストの出題の順序に従うと自然と難易度順になるかと思いますので、その方針で構いません。

対象レベルで言うと、②で述べたように「用語や名称」については後回しでよいと考えています。
まずは一通りの式の使い方やルールに慣れるところから始めましょう。

④何に注意して対策するか

目標が「前の小問で求めたことを次の小問でどのように活かすか、 という思考パターンを固めていくこと」にあるので、
「この設問の意図は何か?」「問題の作者は何を問いたいのか?何を書いてほしいのか?」「この小問は大問の中でどんな立ち位置か?」を常に意することが大事になってきます。
はじめのうちは難しいですが、これは確実に思考力と記述力の足しになります。

また、精神的に余裕がある場合、次のことに注意して勉強できるとよりよいです

時間配分

  • ぱっと問題を見たときに所要時間の見当をつける。
  • 入試問題を使う場合は、習った範囲の問題だけ時間を計って解く(一定時間に集中して全力を出す練習)。

問題判断

  • 複数の問題から、自分の解けそうな問題を見極める練習をする(実際の模試ではすべての問題を触れるとは限らないため)。
  • 単元別でない問題を見たときに、これは何の単元のどの知識を使う問題か、瞬時に判断する練習をする。

まとめ

今回のポイントが押さえて対策できれば、変な減点は防げるはず!

ポイントをもう一度まとめると、以下のとおりです。

  • 入試問題などの連鎖ある問題を使う。
  • 論理性は添削でカバー。途中式や用語は付属の解説でカバー。
  • 苦手な単元から攻める。
  • 設問の意図・時間配分・問題判断に注意する。

ただただ問題を解く、自分の解ける問題ばかり攻める、といった対策では記述模試の得点は頭打ちになるので、ぜひ参考にしてみてください。

それでは。